【読書】芥川賞受賞、職場ホラー「おいしいごはんが食べられますように」読んだ感想

社会人本好き女子、最近読んだ、「おいしいごはんが食べられますように」という本の感想を紹介します。この本は「職場ホラー」といった括りらしく、どんなジャンル!?と思いながら手に取りました。この題名を見たときは美味しい食べ物のエッセイ本かなと思って近づいたのですが、職場ホラーと書いてあり、驚きながらも読みたくなり、つい購入しました。
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ブックデータ(基本情報)
作品名:おいしいごはんが食べられますように
著者:高瀬 隼子

おいしいごはんが食べられますように 講談社文庫 / 高瀬隼子 【文庫】
あらすじ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
真面目で損する押尾は、か弱くて守られる存在の同僚・芦川が苦手。食に全く興味を持てない二谷は、芦川が職場で振る舞う手作りお菓子を無理やり頬張る。押尾は二谷に、芦川へ「いじわる」しようと持ちかけるが……。どこにでもある職場の微妙な人間関係を、「食べること」を通してえぐり出す芥川賞受賞作! 講談社 おいしいごはんが食べられますように 書籍H Pより引用
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000409462
感想
「すごく助かった。」というのがこの本を読み終わった時の大きな感情でした。
自分の中の普段感じている嫌な感情、この気持ちを他の人に共有することはダメなんだろうな、と思いながら家族にも話すのを少し躊躇うような感情を、丁寧に書いてくれている小説でした。
日々生きていると、人の厚意って好意的に受け入れないといけないという暗黙のルールがあって、それが少したまに窮屈になる時があって、例えば「ちょっとズレてる優しさ」とか、「本当にこちらを思って言ってくれてるであろう、指摘」だとか。
これは本当に面倒で、相手が少し苦労をした上で、心の底からこちらを思ってやってくれているから、そして世間的にはそれは良いことであるから、自分にとって嬉しくなくても感謝しなくてはならない。そして、そのことについて有り難がれない自分も、少しがっかりもする。
この本は、この複雑な感情を、言語化してくれていて、あ、やっぱりそうだよね、そう思うこともおかしくないよねと、一人見方ができたようなそんな気持ちになれました。
タイトルから想像できるようなほっこりストーリーではないけれど、
話のストーリーも面白く、出てくる感情が「うわ、それわかってしまう・・」と言った感じでとても読みやすく、とにかく自分の負の感情を肯定してくれるような小説ですので、ぜひ読んでみてください!